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アシュタンガヨガについて

アシュタンガヨガとは

アシュタンガのアシュトとはサンスクリット語で『8』を表します。
ヨガの経典であるヨガスートラの中にあるヨガの8つの部門(8支則)を実践する事が必須とされています。これに示される、それぞれの心の持ちかたや行動を実践することで心身に影響を与え、強くしなやかな肉体と心身のバランスをもたらします。
アシュタンガヨガインスティチュートの創始者であるシュリ K. パタビジョイス師はバラモンの身体訓練(ヨガ)の先生であったシュリ T.クリシュナマチャリア師の元で厳しいヨガの修行を続けながら、経典や哲学を学びマチャリア師のヨガについての科学的研究を献身的に助けアシュタンガヨガのシステムを構築しました。
1948年に南インドのマイソール市にあるシャーラ(家)で数人の熱心な生徒たちに指導を始めたことからアシュタンガヨガのマイソールクラスは始まりました。年齢や体力が違う人々に、身体の歪みや骨格、心の傷などを考慮しながら個々に最も必要な指導を続け、その心身への多大な効果により世界中に広がり今なお伝承され続けています。
現在は、孫にあたるシュリ R.シャラス ジョイス師、娘であるR.サラスワティヒ ジョイス師が継承し指導されています。
 

アシュタンガヨガの特徴

太陽礼拝(スリヤナマスカーラ) から始まり、決められた順序のアサナを呼吸によって繋ぎ、全てのアサナが流れるように呼吸と動きを連動して行います。

これをヴィンヤサと呼び、アシュタンガヨガの特徴でもあります。ヴィンヤサによって体温が上がり熱を生みだします。温められた血液が体内を循環する事で新陳代謝が促され、体内に滞っているあらゆる毒素や老廃物が汗や呼吸から排泄され、同時に人体に有益なホルモンやミネラルが分泌されます。

アシュタンガヨガではアサナによって、それぞれにドリシュティー(目を向ける場所)が決まっており、このドリシュティーにより、自分の外側で起こる情報に反応しがちな意識を自分自身に向け、外的要因から起こる緊張を解き、内観への集中力を養う練習をします。
さらに、バンダのコントロールを練習することでエネルギーを体内へ留め、雑念をなくしていきます。
・アサナ・呼吸・ドリシュティーを同調させることを『トリスターナ』と呼びアシュタンガヨガを練習する上で、最も重要な要素になります。
正しく練習を続けることで身体を柔軟にし神経系が活性され自分自身の感覚をコントロールする力が養われ自己の深い意識に気がつくようになります。
 

マイソールクラス

インドマイソールで伝えられている伝統的な指導法で正式指導者が伝えています。
このクラスは初心者から上級者までが各々決められたアサナを順番に自主的に練習します。
練習の進歩の度合いに応じて、個々に必要なアジャストメントやアドバイスが行われ、新しいアサナの指導を受けたら今までの練習に新しいアサナが追加されます。
アサナの順番を覚えていなかったりヨガの経験がない方でも、その人にあった個々の指導を受けられるのでマイソールクラスはヨガを始めるのに最適な場所と言えます。
早朝の練習を定期的に続けるのは、最初は大変に思えますが体験すると1日が充実し快適に過ごせることをきっと実感していただけるでしょう。
 
 
インドマイソールにて、ヨガを学びたい方はこちら↓
 
アシュタンガヨガ総本山    website
シャラートヨガセンター    https://sharathyogacentre.com
 kpjayシャラ                 http://www.kpjayshala.com
 
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アシュタンガ ヨガ 8支則

『ヨガスートラ』は、古代インドで生まれ伝承されてきたヨガの教えを哲人であるパタンジャリがヨガ哲学としてまとめたヨガの根本経典で、ヨガの最終目的の「Yogas Chitta Vritti Nirodhah =心の作用を止滅させること」についての技術や方法を8支則(8つの段階)に分け、ヨガの心得について伝えられている実践法を記述したものです。ヨガは、これらを実践することが大変重要な要素となっています。

⑴ヤマ /禁戒/Yama

自らの全ての行いは自分に帰って来ると云うカルマの法則が元に成っています。

ヨガの一般道徳で、人や他人、物に対して守るべき5つの行動

* 非暴力/アヒムサ/Ahimsa…殺生をしない事。他人にも自分にも思慮深く優しく接する事で害される事がなくなります。
* 正直/サティヤ/Satya…自分自身の心に気づきそれに対して嘘、偽りを持たない事。言葉と行動も一致させ誠実にする事で信頼を得ます。
* 不盗/アスティーヤ/Asteya…他人の物、時間、喜びなどを不当に奪わないようにする事で心が豊かになります。
* 節制/ブラフマチャリア/Brahmacharya…性欲.物欲.食欲など、一時的な快楽にエネルギーを必要以上に浪費しない事で身体も心も強健になります。
* 所有欲/アパリグラハ/aparigraha…執着をしない事。所有欲を克服し、貪欲にならず満足を知る事で真の目的を悟る事ができます。      

2・ニヤマ/勧戒/Niyama

命を害するものを取り除くための勧めで、個人的な生活態度を改善するための5つ

* 清浄/シャウチャ/Saucha …自身を肉体的にも精神的にも浄化し、常に純粋でいるようにしましょう。自分の本来の姿で居ること。綺麗なものと純粋さは違う
* 知足/サントーシャ/Santosa …与えられた環境や現状を受入れ、満足、感謝しましょう。妥協ではなく、満足欲求が満たされない状態をなくしていく。
* 精進/タパス/Tapas…新しい事にチャレンジするなど生活習慣を顧み、配慮する事で心身を強くします。日常的に自己修練し真摯に取り組む。
* 読踊/スワディヤーヤ/Svadhyaya…単に情報や知識を盲目的に詰め込む事ではなく、自分自身の身の回りから気づきや学びを得るための意識を持ちましょう。1日自分が何をしてきたか、何をすべきでなかったかを分析すること。
* 自在神祈念/イシュワラプラニダーナ/IsvaraPranidhana…日常の当たり前にあることに感謝し、自然に身を委ね、神に(森羅万象)感謝しましょう

3・アサナ/体位/Asana

身体を浄化し、強く柔軟にする為のもので、様々な体位法により身体機能の健康を目指す。意識を集中する事で、瞑想状態に導く。

4・プラナヤマ/呼吸法/pranayama

呼吸法、調気法の事で心肺機能、神経を浄化し整えていきます。エネルギーを充電する力をつけるもので、バンダのコントロールが必要になってきます。

※ 上記の4つが創り上げられることで下記の4つも培われていきます。

5・プラティヤハラ/静感/Pratyahara

肉体的なものから心理的な部分に変わって行く段階で、感覚や感情に引きずられないよう心を静かに調整していく状態。

6・凝念/ダラナ/Dharana

心を一点に集中し動かさない状態。

7・ディアーナ/静慮/Dhyana

前の段階で集中していた心から、洞察力やひらめきが起こり、広く深く展開していく瞑想状態の事

8・サマディ/三昧/Samadhi

自我の認識を超えたものに鮮明で充実した感覚を味わう事